サムイ島
ある日、タイのサムップラカーン市(バンコク市内から乗用車で小一時間ほど南方に位置する)に滞在していた時、その町の大型ショッピングモール内にある和食・中華のバイキングレストランで夕食を食べに行ったときの出来事。店内が清潔そうだったのと、大勢の地元客でにぎわっていたので安心して食事が出来ると確信した。

その翌日になって病を引き起こす原因をつくったのは、氷の上にどっさりと盛られた大型の生ガキ。元来、海鮮が好物の私はそこで3ヶぺろりとたいらげてしまった。翌日、予め予定しておいた隠れ家的リゾートアイランドと称されたことのあるサムイ島へ飛んだ。

食中毒の発症時期は、この島に来た初日で、ビーチが前面に広がるプールサイドでランチを終えた直後、おなかの違和感から始まった。バンガローに戻りしばらく床に就いていると、腹痛が始まり、下痢も始まった。猛烈な腹痛と下痢が何度も繰り返され、次第に発熱も始まった。常夏の島なので、クーラーをつけなければ部屋の中は暑くて居られないはずだが、発熱が続きどういう訳か寒さでクーラーをつけるどころではなくなっていた。

もがき苦しんだこと3時間、一向に止まぬこの症状に尋常ではないと判断し、兎に角医者に連れて行ってほしいとホテルオーナーに助けを求めることにした。ココナッツツリーの林が延々続く砂利道を乗用車で25分ほどかかり医者へ到着。ようやく番が来て、先生に病状を伝えると、いの一番に「昨日カキを食べた?」と聞かれた。

腹痛と下痢を抑えるための痛〜い注射を尻に1本討ってもらい、その他5日分の薬を頂いた。討った箇所に、注射液が溜まらないようにと、しばらく揉むようアドバイスを受け、痛みを感じながら5分ほど揉んだ。

バンガローに戻ってからはとにかく頑張って翌朝まで寝ることに徹した。翌朝起きるとおなかの調子は回復傾向にあることが感じられ、空港へと向かった。

サムイ島で海辺のリゾート気分を味わうどころか、“サムイ”思いをするだけとなってしまった。実はサムイ島へ行こうと決断したときに、「サムイ島で“サムイ”思いだけはしないように注意しよう」と云っており、それが現実となってしまった。この日を境に南洋諸国や諸島では生の魚、生の貝を絶対に食べぬよう肝に銘じた。